今回は「保持」の部分です。どうすれば失うリスクを減らせることができるのか??
結論から言うと、今回は「サポート」です。
他にも、失わない要素はありますが、今回は特に「サポート」にフォーカスしたいと思います。
サポートの種類
まずは、サポートの種類についてですが、本サイトのアドバイザーになってもらっているバルセロナの指導者ライセンスレベル3(これは日本ではS級に相当します)のコーチに以前聞いたんですが、細かく言うと5種類くらいあるそうです笑
さすがスペインですよね。本当に細かくサッカーをセグメント化していて、言語化されています。
だから日本だとぼんやり、空気を読んで判断していることも、明確に言語化されていて理解しやすいです。
ただ、私は3種類。選手のレベルによっては2種類のサポートを伝えています。
これについては、やはりスペインでコーチを経験した指導者の方から、その概念を取り入れている元日本代表監督の岡田武史氏の著作「岡田メソッド」の記載がみなさんも分かりやすいかと思います。(私は氏の用語も使いながら、私の解釈で説明させていただきますね)
※ちなみに、本HPの「私のおすすめサッカー本のリスト」にも入っていいますよ。詳しくはこちらへ↓
読んでいただけると分かると思いますが、手元に無いという方のために記述すると・・
- ① 「もぐる」サポート
- ② 継続のサポート
- ③ 「抜ける」サポート
の3つです。ではそれぞれ見ていきましょう(^ ^)
① もぐるサポート
ボール保持者がプレスを受けて、前も向けずに失いそうな時(緊急の状態)に行うサポートのアクションです。
具体的には、ヘッドダウンをせざるを得ないような状況ではなかなか保持選手よりも、前方へのパスは難しいことから、このサポートは斜め下に位置することが多いです。あくまでも私のやり方ですよ。
上のイラスト状態になった時に、選手には『味方が後ろ向きだったら「斜め下」にもぐれ!』と伝えます。
「もぐる」というのは、斜め下に入るという意味のチーム用語ですね。
この「もぐるサポート」のメリットは、もしボール保持者が失っても、その後ろ側で対応できることです。
もし横並びのサポートであったら、保持者とサポート選手の2枚とも置き去りにされてしまうことにまりますからね。
「もぐる」ことで、失ったとしても1枚残っているし、ここで足止めしているうちに失った選手がプレスバックして再度奪い返すことができます。
② 継続のサポート
すぐに失いそうではないけどプレスを受けている場合や、なかなか前進ができない時に行うサポートのアクションです。
具体的には、前方の選手が保持者と同じ高さに降りてきての横パスのポジションに入るだとか、無駄に見える様な緩いパス交換をする・・などです。
上のイラストのシーンは良くプロの試合中に見ませんか?
「そのパス必要なのかな?」「ボール遊びしているみたい」と思うことがあるかもしれませんが、
これはとても重要で、イニエスタ選手なんかは良くやっています。
ボールを一度、一瞬違う選手に預けている間に自分は2・3歩ステップしてマーカーから離れる時間を作っていたりするんですよね(今度、ボールを追わずにイニエスタ選手だけを見てみてください😀)
他にも、相手の重心を動かすこと、守備のギャップをつくるためとか、かなり大きな意味があります。
ビルドアップがうまくいかないチームありがちなのは、この私は「遊び球」と呼んでいる緩いパス交換が不足していることが結構ありますよ。
③ 抜けるサポート
ボール保持者が前向きで、すぐにキックができる状況にある時に起こすサポートのアクション。
これは、イメージしやすいかと思います。FWのDFラインの背後に抜ける動きや、SBのオーバーラップやインナーラップなどがこれですよね。
形はイメージできるし、時々この良い形もできるけど、うまくいかないこともあるんだよなー
っていうコーチは、「どのような時に抜けるサポート」するのかを漠然と伝えていて、
コーチの「今」行け!というタイミングを共有できていないことが多いです。
私は、各サポートの条件を保持者の状況で判断させる様にしています。つまり
前向きで蹴ることがすぐにできそう → 抜けるサポート
後ろ向きで失いそう → もぐるサポート
と言った様にです。
そうすることで、保持者もサポート側も動きとタイミング共有しやすく、失うリスクがどんどん減っていきます。
すべてのプレーに通じることですが、
「いつ」「どこで」「何をする」
は言語化して明確にチームに落とし込んでおく必要があります。
これを選手任せにしてしまうのはコーチの怠慢であると私は考えています。
それは選手の判断を奪うこと。 決めつけること。 ではなくて「放置」ではないでしょうか?
もちろん、コーチは選手に判断をさせなければなりません。
でも、いきなり釣竿などの魚釣りセットを渡されて、自由に釣って来いと言われても難しいですよね
だから、判断基準をトレーニングで与えてあげるんです。それはいわば魚の釣り方ですよね。
指導者は魚そのものを与えてもダメだし、道具を渡して放置もだめ、
釣り方を教えて、命に関わるような大きな失敗をしないよう見守って、
たくさんチャレンジと失敗をさせることが大事なんですよね〜☺️
なかなか、難しいことですが選手のためにお互い頑張っていきましょう!
それではまた〜😀
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