ビルドアップって難しいですよね。
なかなかスムーズにいかないし、引っ掛かると失点のリスクも高い。
ビルドアップ失敗の理由はたくさんあると思いますが、今回は次の4つのポイントを説明していきますね☺️
これを見て明日からのビルドアップTRを見直してみてください!
ちなみに、今回はシステムや立ち位置(5レーン)は除外しています。
どちらかというと、個人のスキルにフォーカスしているので、意識すればすぐに変わることが多いと思いますよ〜
その前に・・ ビルドアップの定義を
私の考えるビルドアップはいわゆる「サリーダデバロン」日本語では「ボールの出口」となります
G Kからスタートして、ボールがおよそハーフラインを超えるまでをこのフェーズだと定義しています。
これ以上高いエリアはまた違った要素と求められるプレーになりますからね。
あくまでも、私の定義です。
ですから、このエリアにいかに安定しながらボールを運ぶか・・ が目的となります。
①大前提としてのパス&コントロール
当然、ポジショニングも大切ですが、
ビルドアップをするためには安定したパス&コントロールは必須科目となります。
出したいところに、状況に応じたスピード・質のパスを蹴れる
どんなボールが来ても、次のプレーが素早く行える場所におく
そうした高い技術のパス&コントロールの背景があるから、顔を上げて周囲を観る余裕が生まれて
常に相手の隙をつく判断ができることになります。
本当に当たり前ですが、止める・蹴るは必須です。
失わなない安定したポゼッションがなければ、質の高いビルドアップは難しいですよね。
②ボールの置き所が悪い & 斜めのパスが無い
ビルドアップの時のボールの置き所として私が選手に伝えていることは、
「外側に置け」
です。
特にサイドバックなどは中央からのパスが多いので、受けた時にやや中央側に身体の向きを向け、置き所も内側に置く
こんな選手が多いと思います。
このままだと外側に誘導されてしまい前進のためのボールの出口は縦のコース一つとなってしまいますよね。
こんな風に詰まって、奪われてしまうことが多いと思います。(逆に良く守備はこれを狙いますよね)
それをこんな感じで外側に置くと
相手はより外側にポジションを取らなければならず、それによって内側の斜めのコースが開きます。
この斜めのパスが前進にはとても重要で、このパスから相手が閉じてしまおうとするゾーンから逃げる効果があります。
この斜めのパスがないと、個人の能力による打開か背後へのロングボールのみの攻撃になりがちとなってしまい、
ビルドアップが再現性の低い形となり、
上手く行くこともあるけど、失敗も多い
なんで上手くいったかよく分からないけど、結果オーライ😅
みたいになっているチームが多いような気がします。
だから、ボールの置き所にはこだわってますね。
ちなみに、元日本代表の内田選手が現役時代の置き所もこの外側だったそうです。
皆さんも、気にしてみてください。
③背後を狙う動きがない
と、ここまではハーフラインをいかに短いパスで繋いで前進して出口を探すというフェーズを説明してきましたが、
こうした狙いを続けていくと、相手は高い位置からマンツーマンで守備をしてくるなどの対応をしてきたり
非常に強度の高い守備を仕掛けてこられて、手詰まり・・
ということもあるかも知れません。(そのプレスをかいくぐる個人スキルが高いチームならそのままでもOK)
こうした場合に空いてくるスペースがありますよね?
そうです。
前がかりになっているということは相手のDFラインの背後にスペースが広がっているということです。
ビルドアップは全て短く繋ぐことと思い込んでいる方もいるかもしれませんが、
定義した通り、ハーフラインを超えるフェーズであるのて、ロングボールももちろんアリなんです☺️
この背後抜けの動きをFW等がすることで、相手のDFラインは下がり、中盤とDFラインの間にも新たなスペースが
生まれることになります。
そうなるとまた、斜めのボールなどでそこにクサビのパスをつけることが可能になるわけです。
それを繰り返していると、相手は守備を絞ることが難しくなっていく・・ことになります。
④ドリブルを選択肢として持っていない
そして、
ドリブルを使っているか?
ですね。
エントレとか、5レーンとか立ち位置で相手を崩す方法はもちろん大切ですが、これはパスを通すためのものがほとんどですよね?
目的は、スムーズにパスを通しながらゴールに近づいていくこと・といった感じかなと思います。
パス&コントロールの技術が高いとか、置き所がしっかりしているとか、上記の内容を無意識でこなせる集団ならパスで崩せるかもしれません。
ただ、パスだけで崩してくるチームは守りやすくもあります。
ですから、やはりイレギュラーが必要なんですよね。
相手のDFの予測をひっくり返すようなプレーが
それは、パスでもなんでもいいんですけど、
ドリブルは有効な手段の一つになります。
ビルドアップのTRをしていると、選手は一生懸命にパスコースを探していることがあるんですが、
そんな時は、フリーズしてパスコースの出口も共有しますが、スペースがあればドリブルで運ぶことも選択肢に入れるように伝えています。
日本人の良いところでもあるし、悪いところでもあると思うんですが、ビルドアップでポゼッションをしながら、前進するぞ・・と言ってパス中心での前進のTRすると、結構な割合でパスばかりをイメージすると思うんですよね。
まあ、そういうTRをしているので、当然なんですけど、そこはドリでしょ〜
と言った場面が出てくるわけです。
そんな時に、一度フリーズしてドリもできる状況を整理して伝えるようにしています。
どうですか?
結構、そんな場面ありませんか?😀
まとめ
ということで、まとめです。
- パス&コントロールの質 :顔が上がる時間が少しでも長くなるためにも、このスキルは大前提
- ボールの置き所は外側になっているか?そして、斜めのパスコースをのぞいているか?
外側に置くことで、相手はより外側に立ち位置をとることになります。そうすることで、斜めのギャップが通しやすくなりますよね。ここにパスが通ると、同サイドに限定したい守備の裏をかくことができるわけです。ハマりづらくなることになるんです。
- 背後を狙っているか :相手がビルドアップに対してハイプレスをかけてきた時に、何がなんでも足元で・・
ではなく、前がかりになってできたDFラインの背後のスペースを狙うアクションをしているか?
背後にボールを入れているか?
- ドリブルを使っているか :パスばかりのビルドアップは、相手が試合中に慣れてきます。アドリブであり、アクセントのドリブルは重要!
以上、「ビルドアップを失敗している理由4つ」
でした。
もう一度、この4つの観点から自チームのビルドアップを見てみてください。
もしかすると、どれかが当てはまっているかもしれませんよ。
その時は、ぜひTRで改善してみてください。劇的にビルドアップの成功率が高まるかもしれませんよー(^ ^)
なお、ビルドアップなど攻撃についてはこちらの本が参考になるかと思いますので、参考に紹介しておきますね。
こちらは坂本圭氏の「ダイヤモンドオフェンス」です。
坂本氏はバルセロナで日本ではS級相当の指導者ライセンスを取得され、ご自分でもかなり研究を重ねて
このポゼショナルな方法での攻撃方法を構築されてきました。
もともと、高校教員でサッカーを学ぶために退職して奥様と一緒にスペインに渡った超行動派な方です。
学びたくてうずうずされていたんだろうなぁ〜と、感じるほどの情熱をこの本からは感じます。ぜひお手にとってみてください。
そして、王道のこの本
勝手に師匠と崇めている坪井健太郎氏(勝手を許してね。坪井君笑)の著作「サッカーの教科書シリーズ」の攻撃変ですね。
彼もバルセロナでライセンスを取得し、実際にユース年代の第二監督を務めて、バルセロナに勝利するなど実績も経験もピカイチの方です。現在はヴェルディでチームの強化に関わっているようです。
教科書シリーズは私のバイブルなので、もう絶対に読んでみてください!
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